元刑事が書くデジモノブログ

警察歴7年の元刑事が、警察体験談からデジモノレビューまでやってます!

警察体験談 学校編①「警察学校はバカになったもん勝ち」

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引用:警視庁

さて、ここから何話かに分けて、警察学校編をお送りします。

試験よりも、警察学校がどんな場所なのか、気になる人も多いでしょう。

(※リアリティを出すために固有名詞をつけていますが、全て仮名です)

 

 

 

学校編①「警察学校はバカになったもん勝ち」 

入校日に1分遅刻してしまいました…

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引用:いらすとや

警察試験の合格通知が届いてすぐに、総務の方から電話がかかってきました。

「秋から入校してもらえませんか?」

ひとり旅を考えてた私は少し考えたのですが、断ると印象悪いかなぁとも思い、結局秋入校のお誘いにOKをします。

 

入校日は、平成19年10月1日。

私が警察官を拝命した日になります。

 

道が混んでて1分遅刻しました。

開始早々怒られました。やってしまいました。

 

「入社早々遅刻とかご法度だろww」と最近はすぐネットで叩かれますが、

叩いてるおじさん世代も、若いときこういう失敗やってるもんなんですよ。

 

 

貸与品などの支給

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引用:ぱくたそ

到着すると、すぐさま武道場で制服・靴・制帽・ベルトなどの貸与品を渡されます。

 

同期の一人が、ズボンのベルトをチェックしてたらベルトの紐が突然「ビリッ」とちぎれました。

たぶん普通の会社だったら

「ああ、それよく取れちゃうからね。今度代えのベルト持ってくるから、とりあえずそれ使っといてよ」

の笑い話で済むかもしれませんが、警察学校は違います。

 

 

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引用:ぱくたそ 

「勝手にベルトの加工をするな!!!!」

 

罵声が容赦無く飛びます。

 

同期生は「え?俺が壊したの?壊れやすいんじゃなくて?コレ?」って顔をしてますが、ここでは悪いのは全て私たちです。

 

何をしても、原因が私たちじゃなくても、悪いのは自動的に私たちになります。

 

そういう世界です、警察学校は。

 

 

移動するときは基本ダッシュ

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引用:ぱくたそ

制服に着替えて、制帽を持ち、次は体育館に集合と言われます。

ここで、のそのそ〜と移動するのですが、後ろから教官の罵声が響きます。

 

「トロトロ歩くな!!移動する時は走れ!!!!」

 

そうです、警察学校での移動は、基本全部走らないとNGです。

歩いていいのは、休憩時間と寮の中だけです。

 

なので、授業の合間の休憩時間にタバコを吸う生徒もいますが、タバコが吸えるスペースまでわざとみたいに距離が設けられています。

 

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引用:いらすとや

 

「タバコを吸うのは自由だけど、時間に間に合うように全力ダッシュで戻ってこいよ」

 

そういう意味だと思いました。

 

さて、教官に怒られながら走って体育館に着くと、ステージの下に人数分のイスが並べられています。

その横に、小さな白い箱が置いてあります。

 

 

目上の人にはかならず挨拶

若い教官が体育館に入って来ました。

隣にもう一人、位の高そうな教官もいます。

ペコリと会釈すると、いきなり若い教官がブチ切れます。

 

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引用:ぱくたそ

「お前らなァ、目上の人が入って来たら挨拶せんといかんだろうが!!??」

「お疲れ様ですって言わんとあかんだろうが!!」

と怒られます。

 

ここでも補足すると、警察学校では、目上の人とすれ違った際はなにがあっても「お疲れ様です!」とハキハキ挨拶しなければいけません。

しかも「走りながら」とか「歩きながら」の挨拶はダメです。

きちんと止まって、教官の方をまっすぐ向いて、挨拶してください。

 

たとえば教官が5メートル向こうから歩いてくるのが見えたとすると、

どんなに急いでいても一回立ち止まって「お疲れ様です!」と挨拶し、きちんと敬礼しないといけません。

それが終わってからまた走ってください。

 

理由は考えてはいけません。

そういう世界なんです、警察学校は。 

 

 

制帽を床に置くなんて…!

さて、話を戻します。

位の高い教官から、こう告げられます。

 

教官「今日から君たちの主任教官になるキクチだ。わしの横にいるのが、君たちの担任のタカハシだ。よろしく」

私たち「よろしくお願いします!!!!」

タカハシ「タカハシだ。よろしく。今日から入校式まで4日ある。その4日間、朝から夕方まで入校式の練習をしてもらう」

私たち「ハイ!!!!」

タカハシ「じゃあちょっと移動するから、制帽を置いてこっち来て」

一人が制帽を床に置きます。

 

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引用:ぱくたそ 

 

タカハシおい、誰が制帽を床に置いていいって言った?」

 

同期生「!?」

 

タカハシ「いいか?制帽を置く時は、この白い箱の上に置け。箱がない時はずっと手に持ってろ。床に置くのは断じて許さん」

同期生「わ、わかりました」

タカハシ「罰として、プッシュアップ20回」

同期生「え?」

タカハシ「プッシュアップって言ったら腕立て伏せだろうが!早くしろ!」

同期生「は、はい!い、イーチ、ニーイ…」

タカハシ「もっと声出せ。みんなに聞こえるくらい大きい声で!」

 

はい、恒例のペナルティってやつですね。

前にちょっと記事で書きましたが、警察学校では原則体罰はありません。

しかし、罰(ペナルティ)はあります。

罰の形式は、プッシュアップ(腕立て伏せ)、グラウンド10周、廊下で反省など、多種多様なものがあります。

 

最初はけっこう理不尽にペナルティが課せられます。

これを何回か味わうと、次第に生徒自身がペナルティにならないよう工夫するようになるので、まずは「どんなことをしたら怒られるか」を覚えることから始まります。 

 

みんな間違っている!正しい敬礼のやりかた

さて、一人一人イスの置いてあるところに配置されました。

 

ここで補足です。

 

みなさんは、警察ドラマとかで「敬礼!」ってしてるシーンをよく見ると思いますが、あれは半分以上間違ってます。

 

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引用:ぱくたそ

「右手を指先までシュッと伸ばして、右眉のあたりにもってくるのが敬礼」というイメージだと思いますが、

あれは帽子をかぶっているとき限定の敬礼って決まってます。

帽子をかぶってないときに右手を使う敬礼をやると、100%ペナルティを課せられますよ。

 

そもそも敬礼っていうのは、腰から先を15°の角度で曲げておじぎすることを言います。

これが原則、ルールです。

「右手を使う敬礼は、帽子をかぶってる状態でおじぎをしたら帽子が床に落ちるから、しかたなく右手を使って礼をするのが許されてる」という考え方です。

これは警察に入ったら絶対守らないといけないルールなので、覚えておいてください。

 

これとは別に警棒を持っているとき限定の敬礼もありますが、ここでは省略します。

 

 

朝から晩まで、敬礼!敬礼!敬礼!…

話を戻します。

入校から入校式まで4日。

それまで朝から晩まで、敬礼の練習をすることになります。

朝から晩まで、ずっとです。

休憩時間以外はずっと敬礼です。

 

正直、一日目で「なんで俺こんなことやってるんだろう」って思います。

 

しかし警察学校では、そんなことを考える方が時間のムダです。

 

次回も詳しく話していこうと思いますが「は?そんなことして、何の役に立つの?」ってことを、必死でやらなければなりません。

入って早々教官から言われた一言を、私は今でも覚えています。

 

「君たちには、バカになってもらわんと、いかんからなぁ!!!!」

 

そう、バカにならないと正直やってられないです。

なので、警察学校のやり方に疑問をいだき、考えれば考えるほどわからなくなって、結局警察学校を去る人が出てくるのです。

人間って生き物は、些細なことがきっかけでも、生活リズムが変わればストレスを感じてしまう、弱い人間なんです。

 

なので、考えるのはやめましょう。

意地もプライドも、ここでは何の意味も持ちません。

言われたことが素直にできる人間しか、警察学校では生き残れないのです!

 

なんでこんなことをするかの理由をつけるとすれば、ひとつです。

「言われたことができる人間でいなければいけないから」

 

こうやって警察学校での「ふるいわけ」は始まっていきます。

 

(つづく)