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元刑事が書くデジモノブログ

警察歴7年の元刑事が、警察体験談からデジモノレビューまでやってます!

警察体験談 学校編②「考えるな、感じろ」 

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引用:足成

【前回までのあらすじ】

警察学校に入校したmassanだったが、初日早々警察学校の洗礼を受け

「なんで俺こんなことやってるんだろう」と疑問を抱くのだった。

あっという間に4日が過ぎ、入校式の日を迎えたのだが…

radmusicdays.hatenablog.com

 

 

 

第五話「考えるな、感じろ」

入校式には幹部と親族がやってきます

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引用:足成

入校から、はや4日。

その間幾度となく敬礼をし、背中と腰に筋肉痛を覚えてくるころです。

 

しかし毎日朝から晩まで敬礼ばかりしてると、さすが人間ってのは慣れる生き物です。

思ったよりサマになってきます。

コスプレ警察官から一皮むけた感じです。

自分でもビックリします。

 

入校式当日は、警察本部長、警務部長、公安委員長、幹部クラスの方々がやってきます。

 

警察学校にいる間は「巡査見習生」という見るからにヒヨッコな呼び名がつけられます。

まだ巡査にすらなっていません。

 

 

警察本部長や警務部長らが、どれくらい警察組織の中で偉いのかを表現すると、

  • 「警察本部長」遠く遠く雲の上にいて、見習生ごときが口をきくことは絶対に許されない神様のような人。もともとキャリアの人が多いが、ノンキャリ→キャリアに引き上げされた本部長もいる。
  • 「警務部長」県警ナンバー2。警務部長はもともと警察とぜんぜん関係ない国家公務員の場合も多い。農林水産省や厚生労働省から出向してきて、その間だけ警察官になれる謎のシステムがある。
  • 「各部門の部長」四天王として君臨している。うちの県には刑事部長、交通部長、生活安全部長、警備部長の4人がいた。出世コースに乗れたノンキャリの最終地点はここ。

 

こんな感じになります。

 

また、入校式には自分たちの家族や親族も見にくるので、身内の前で恥をかきたくないところです。

失敗のないようにいきましょう。

 

玄関で敬礼して親族らを見送ります

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引用:足成

無事入校式が終わると、そのまま校舎の玄関に整列します。

そして全員で敬礼し、車で帰っていく幹部や親族を見送ります。

 

べつに今生の別れでもなんでもないんですが、こんな演出が入ると 

「父ちゃん母ちゃん、元気でな…

息子はもう帰ってこないかもしれないけど、達者でな…」

 って気分になります。いやホントに。

 

この演出は、警察学校の過酷な訓練と合わせると「うまい演出だなぁ」と思います。

ここまで盛大に入校式をしてもらうと、訓練の途中で挫折しても、簡単に「辞める」って言いづらくなりませんか?

 

お客様扱いはここで終わり

見送りが終わると、午後から訓練がはじまります。 

担任のタカハシ教官から第一声があがります。

 

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引用:ぱくたそ

タカハシ「入校式も済んだし、ここからはお客様じゃないからな!」

  

いやいや、入校式前から既にお客様扱いじゃなかったんですが。

 

早速授業が始まりますが、初回はどの授業も教官の自己紹介になります。 

これが意外に面白いです。

 

教官によりエピソードが異なり、

交通畑の教官だと大阪府警の事故捜査の部署に武者修行に行ったとか、

刑事畑の教官だと警視庁に出向して中国人と激戦を繰り広げたとか、

警備畑の教官だと千葉県警に出向して成田空港の警備をしたとか、

 

面白い話がいっぱい聞けます。

 

この自己紹介の時間で、警察に対するモチベーションがちょっとだけ回復します。

 

基本的に教官は厳しいことを言ってきますが、授業の時間はフレンドリーな人が多いです。

 

 

警察学校の寮ってどんな感じ?

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引用:写真AC

授業と当番以外の時間は、学生寮で過ごすことになります。

(当番については、のちほど詳しく書きます)

 

警察学校の寮って、どんなのを想像しますか?

ボロボロの建物でみんなが雑魚寝しているイメージでしょうか?

 

ところがどっこい、最近は個室の寮が多いです。

 

まあ平成も30年経とうとしている時代に、いつまでも昭和のしきたりを守っておくわけにもいかないですからね。

 

各生徒それぞれに個室があり、4畳くらいの部屋にベッドとクローゼットと机があります。

窓にはカーテンまで付いています。

少し狭いかもしれませんが、プライベートな時間を過ごすには十分なスペースが確保されてますよ。

 

ただし、入校してから最初の1ヶ月間は「特別訓練期間」になっています。

「特別訓練期間」は部屋を使うのはOKですが、寝るときは広い部屋で修学旅行みたいに全員一緒に寝ます。

 

おじさん見習生もいれば、高校卒業したての若者見習生もいます。

年の差はあるかもしれませんが、全員同期生です。

仲良くしましょう。

 

食堂のルール

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引用:いらすとや 

食事は、決められた時間内に食堂で食べます。

量はけっこう多いです。

ですが毎日体を動かして相当エネルギーを使うので、あまり食べれなかった生徒も、すぐにガツガツ食べるようになります。

 

昼食は教官も食堂で食べるのですが、食べ終わったあとの食器は、生徒が率先して片付けないといけません。

教官に教わったメシを食う時のルールは、

「誰よりも遅くメシを食べ始めて、誰よりも早くメシを片付ける」

です。 

 

そのため、昼食のときは常に横目や上目をつかって、教官らが食べ終わるタイミングをチェックしなければなりません。

そして食べ終わってお茶に手をつけた瞬間、生徒は自分が食べている最中であっても、立ち上がって食器を片付けなければなりません。

 

警察という階級社会にいる以上、目上の人への配慮は欠かせません。

 

日誌と宿題がほぼ毎日出ます

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引用:いらすとや

警察のパンフレットには、放課後スポーツをしたりして楽しむ姿が写っていたりしますが、現実はスポーツをする余裕がないくらいやることが与えられます。

 

一日に一回「日誌」というものを書かなければいけません。

日記とは違います。日記を書いたら赤ペンで怒られます。

日記は「今日こんなことやあんなことがあった。楽しかった」という内容ですが、

日誌は「今日こんなことやあんなことをした。こうなった。ああなった。次回はこうしたい」という内容です。

 

最初は「日記ではなく日誌を書け」と添削されて戻って来ることが多々あります。

「感想文ではなく会社に提出する報告書」という考え方で書くと、だんだん赤ペンで怒られなくなります。

 

日誌のほかに、授業ごとに出される宿題があります。けっこう難しい問題が出ます。

特に刑法や刑事訴訟法の宿題は、私には激ムズでした。

私の中で刑法は、ゲームの難易度で言うと「アルティメット」「インフェルノ」に位置するくらいムズイと感じていました。

 

法学部を卒業した学生は、大学の授業で法律分野をかじってるんですが、

私みたいに法律とは無縁の世界で暮らしてきた人には、けっこうキツいです。

 

そして、これらの課題は消灯までに仕上げなければなりません。

実際には消灯までに終わらないことも多いので、布団の中でコッソリ懐中電灯をつけて課題の続きをやることになります。

 

しかし、たまに教官が就寝後に見回りに来ることがあり、まだ起きているのがバレたらペナルティをくらいます。

 

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引用:ぱくたそ

バレたら翌朝のランニングで、通常の3倍の距離を走らされます。

 

なんでこんなシステムになってるのか、ずっと不思議に思っていました。

現場に出ると分かってくるのですが、暗闇で人にバレないように行動することもあるので、その訓練も兼ねてるのかなぁとも思います。

 

自主トレ簿をつけて毎日報告します

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引用:写真AC

生徒には「一週間に○km以上ランニングをしなさい」という目標も与えられます。

これは、毎日1.5〜2kmくらい走ればクリアできる量だったと思います。

 

しかし実際には、毎日コンスタントにランニングができるわけではありません。

 

ランニングをする暇がないくらい難しい課題が出る日もありますし、

当番の日は時間を拘束されるので、ランニングもできません。

体調が悪いときだって、あると思います。

 

なので、目標をクリアするためにも、走れる日はちょっと多めに走ったりして工夫します。

 

毎日走った距離やトレーニングの内容を、「自主トレ簿」という書式で提出しなければならないので、なまけてはいけません。

 

まだまだ続く警察学校編…

いざ書き始めると、ものすごく書きたいことがいっぱい出てきて、

本来の警察業務に関する話まで、あと何話続けるんだろうって感じてきました。

 

なので、あと1回で警察学校編はいったん終わりにしようかなぁと思ってます。

詳しい話は、また別途書いていこうかと。

 

それでは、今回も長文お付き合いありがとうございました。

次回もよろしくお願いします。